廻り道も起業の準備になる

その業種や規模にもよるわけですが、起業というものは早くやればいいものとは限りません。 いや、場合によってはむしろ、回り道とも思えるような十分な準備をしてからの起業であることが、その成功への近道となる、という場合すらあるのです。 特に、専門的な知識やノウハウといったものが不可欠、となっているような業種の事業を興そうとする場合には、そのための専門知識やノウハウを身に付けるために、修行期間としてそのような業種の先輩格であるところに勤めて、じっくりとその知識やノウハウの習得を行った後に、独立して起業する、という方策を採ることが必要であることもあるのです。 ところが、起業を行う本人が、そうした専門家は雇い入れてしまえばいいから、自分は経営だけを行っていればいいとして、そのような知識やノウハウを身に付けようとはせずに、拙速に起業してしまった場合には、しょせんは他人頼みの事業経営であるために、いざ、事業が苦境となってしまった時には、そうした人材が早々と離れて行ってしまって、肝心の知識もノウハウもない素人経営者だけが取り残されてしまう、といった事態にもなってしまいかねないわけなのです。 このために、たとえ回り道のように見えようとも、起業する経営者自身が、自分の事業の何たるかをちゃんと知っていて、そのために不可欠である知識やノウハウをじっくりと身に付けているならば、いざ、その事業が苦境に陥った際にも、自力でそれを跳ね返すことのできる底力を持つことができるようになるのです。 事業運営というものには、良い時もあれば悪い時もあり、好調に上り調子となる場合もあれば、逆境に突き落とされてしまう場合もあるわけなのですが、悪い時、逆境に突き落とされた時にこそ、その事業経営者の底力というものが試され、そうしたどん底の状態を乗り越えることで、その事業基盤というものは、磐石なものとなるのです。 そのためにも、その起業に当っては拙速に走ることなく、たとえ回り道のように思えても、しっかりとした事業の土台を設けておくために、十分な準備期間というものを費やすことが必要となるのです。